*隙ということについて
*隙について
※隙(すき)ということについて
〇三つの隙について
構えの隙とは、構えは城であり、堅固な構えは難攻不落の城と同じで、相手に対して非常に有利なのです。しかし、いかなる名城であっても良将なくしては役に立たないと同様に、いかに構えに隙がなくても、心に隙があれば構えの利用も出来ず用もなさないことになるのです。心の構えの伴わない構えは役に立たないということです。
剣道の隙には、心の隙、動作の隙、構えの隙と三つに分けることができます。従って、このことを三つの隙ともいわれています。
一、心の隙とは、心は動作を起す根源ですが、この心にどこか隙があること。剣道の四戒のことです。
全身に気をみなぎらせることが大事です。従って気分が充実し、心が全身に満ち渡って、一分の隙もないようにならなければならないのです。心の隙を無くするということは道においては最も大切なことなのです。
二、構えの隙とは、構えに隙があれば、直ちに打ち込まれるので、体勢を整え十分な構えが必要です。
形だけのものではダメです。例えば、手元が上がりすぎの構え、剣先が下がりすぎの構え、竹刀を握る手に力が入りすぎの構えなどです。
三、動作の隙とは、打突の機会です。 試合は短時間です。短時間の内に隙は数少ないので、打突の機会は逃さず初太刀は絶対取る気構えが大切です。
動作の隙を作らないようにするには、常に先の気分で思い切って打突し、残心を忘れないことなのです。
打突後の身構えと心構えを忘れないことが肝心であり、第二、第三の技を出す準備が出来ていることが大切だということなのです