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*試合に目的

*試合に目的


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○試合の目的について 
 試合は互いに相闘って、その技術を試し、比べ合うことである。剣道の試合は、定められた用具など平等の条件のもとで、互いに試合規則を守り、審判員と試合者が協力して、技術、精神力、体力のすべてを尽して勝敗を決し、無我の境地の間において心身を鍛錬するものであると言われています。

○試合の効果について
 試合は、お互いが平素修得した技を、短時間の中に余すことなく発揮し、勝敗を決するため、精神は極度に緊張し、一心となって当るので、時間は短かくても技術、精神の練磨には極めて大きい効果があると共に、試合終了後、静かに自分の技術、精神面、体力などをよく反省し、いかにして勝ったか、負けたかを深く省みて、長所は一層伸ばし、短所は大いに工夫練磨するならば試合の効果はより大きいものであり、大切なものだと思います。

○試合の心得(心構え)について
試合前の心得
1、身体の調子を整えること。
イ、試合のための猛練習により、はなはだしい疲労を来たすことなどの無いように留意すること。
ロ、暴飲暴食をつつし慎み、消化器をそこな損わないように注意すること。
ハ、身体の調子を最高調に維持するよう清潔、栄養など衛生、摂生に充分気をつけること。
2、精神の安定を計ること。
 試合が近づくと共に、次第に精神がたか昂ぶってくるのが普通で、睡眠不足となりがちで、体力も神経系統も疲れを来たし存分の働きができなくなるので、極力試合のことを忘れ、坦坦とした気持で充分に睡眠をとるように心掛け、精神の安定を計らなければならない。
3、使用する竹刀、道具などについて準備を完了しておくこと。
 試合直前になって使用する竹刀の選択に迷うとか、竹刀、道具類の破損等に気付くなどは、精神面に大きい影響を与えると同時に危害にもつながるので、前日迄には、すべて完備して置くようにしなければならない。
4、よく相手を知ること。
 相手の特徴、欠点、強弱などを知ることに努め、また、自分の長所、短所を自覚し、よく研究して置くことも必要をことである。

〇試合中の心得
1、礼を重視し、道を離れないこと。
「剣道は礼に始まり、札に終る」と、いわれているように剣道から礼を取れば、それは最も野蛮な競技となってしまう。
如何なる場合も、礼儀作法を重んじ、人の道から離れないよう充分に注意して行動をしなければならない。
2、細心の注意を払うと共に、大胆であること。
 勝敗は、ただ技量の優劣だけでは決るものでなぐ、精神的影響が非常に大きいものである。従って相手のきょそ挙措動作を見逃がさない注意力と共に、「攻撃は最善の防御である。」と、いわれているように、常に先の気持が相手を圧し、隙を見つけたら全力を集中してそっこく即刻打ち込むように一面大胆なところもなければならない。
3、自我の行動、態度に捉われず無我無心の境地となって思い切って当ること。
 相手の挙動や態度にまど惑わされることなく、また、自分の行動についても心を用いず、いわゆる驚、恐、疑、惑といったをくして無我無心の境地となり、平素身につけた技が、相手の虚、隙を見たら直ちに、身を捨てて打ち込んでいける状態になっていることが必要である。
4、目付け、間合に終始気をつけ、必勝の信念を持つこと。
 常に相手の行動と態度を視野の中に入れ、その動きを見ながら相手との間合すなわ即ち攻めるに強く、守るに強い一足一刀の間をくずさないように取り、常に必勝の信念と自信を持つことが大切である。
「攻めるを知り、退くことを知るのが剣道の極意だ。」と、いわれている。
5、修得した技を余すとなく出し、後に後悔を残さぬこと。
 試合に臨んでは、平素修得したすべての技を余すことなく出し尽し、勝っても負けても、雨後の星天のように、極めて晴れ晴れとした気持になるようでなければいけない。試合後いつまでも、ああすれば良かった、こうすれば良かったと、くよくよと後悔をするようなことは、最もいまし戒めねばならないことであり、また、つまらないことである。
6、場の力に影響されないこと。
 余程経験を積んでいる人でない限り、普通の人は多かれ少なかれ試合場や観衆から受ける力に影響を受けない者はいない。目に見えないこれらからの精神面に受ける影響力は決しておろそかにはできないのである。よく一般に「あがる」ということばが用いられるが、この内客の大半はこれらに左右されて心身共にこうちょく硬直して平素のなか半ばも技が出せないで負けをとるということになるのである。従ってこれを克服するには、機会がある度に進んで試合に多く出場して、場に慣れて置くことが一番大切なことである。

〇試合後の心得
1、試合終了後の心の持ち方。
 試合終了後は、勝っても、負けても、晴れ晴れした気持で相手にそんけい尊敬のねん念を表し、勝っておごらず、負けて悔いず。と、いった坦坦とした態度でなければならない。
2、反省を忘れてはならない。
 試合後は必ず反省し、何処にして勝ったか、あるいは敗れたか、何処が良かったか、何処が悪かったかを、自分自身はもちろんのこと、他人からも批判を聞いて、さらに検討、工夫研究し、自分の長所はますます伸ばし、短所はそっこく即刻正しじょきょ除去するようにして再びそのようなことを繰り返さないように努力することが大切である。これで始めて、自己の技術面も、精神面も一歩前進することになるのである。

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