富勢剣友会、大きな声で元気いっぱい!

*竹刀のメンテナンス

*竹刀のメンテナンス


《剣道術理へ戻る》


※竹刀のメンテナンス
新しく竹刀を購入するときには?
やはり、今まで使っていた竹刀を店に持っていくのがベストです。そうすれば、自分の竹刀と、店にある竹刀を持ち比べて、同じようなバランスのものを選ぶことが容易にできます。また、銘柄が同じであれば、胴の張り方や握りの太さが一定しますので、そういった選び方も良いと思います。
一度入れてしまうと自分では抜くことができなくなるような、柄革がきつめの人は、柄革を入れる前に小麦粉をちょっと入れると、抜けやすくなるのでやってみたらどうでしょう。
●ポイント
新しく竹刀を選ぶときは、気に入った竹刀と付属品を持っていく

竹刀を見立てる側の目
竹刀を選ぶとき、重さ、バランス、握りの太さが消費者(選ぶ側)の重要視する部分です。気に入った竹刀をいつも使いたいものですが、特に試合前になると使う側も繊細になるでしょうし、作るほうも神経を使います。柄の長さが0.5cm違うだけでも大きく変わってきます。0.5cm切ってくれとわざわざ専門店に出向く人もいるくらいです。勝負をかけている人は、特に感覚も鋭敏で、竹刀選びも慎重です。昔の武将が刀鍛冶と甲冑士をかかえていたのと同じように、剣道をする人にとっては、竹刀を作る人と防具を作る人は、意思の疎通ができる人間を置いておかないといけないのかもしれません。
また、どうしても男子は三尺九寸、女子は三尺八寸と考えがちですが、実はそれは自分に合っていない竹刀である場合も少なからずあるはずです。小柄な女性が三尺七寸五分の竹刀に変えたら、とても振りやすくなったという例もあります。背の低い人がより短い竹刀を使うと、不利ではないかと本人は考えていたのでしょう。しかし、実際同じ重さでも三尺九寸を使ってみると、振り切るのは難しい。もちろん振れれば関係ないのでしょうが、体格や体調を考えてあらためて竹刀を見直してみると、もっと使いやすい形の一番振りやすい、自分の体にあった竹刀があるのかもしれません。
少しでも思ったことは、専門店に相談してみることです。自分が使いやすいものを早く知ることが大事なことですから。
●ポイント
自分を知って、体格や体調に合わせて竹刀を考える ''

竹は決まった!すぐに使えるの?
好みの竹を選ぶことができたらいよいよ竹刀を作ります。柄革や中結をつける前に、ひと手間かけたほうが良いでしょう。まず、先から二節目ぐらいの物打ちあたりを少し削ります。買ってそのまま使うとささくれが出やすくなるので、角を丸くしておくわけです。
また、軽くする目的で削る場合は、削る場所が違います。しかし、軽くするためは言っても、表面の部分を削らないように注意してください。そこが竹刀の一番強度のあるところだからです。内側も削ると竹刀自体ガタガタになりますから、竹との合わせの部分は削らずに、竹刀を組み合わせた形で二枚を一度に削ります。全体的に軽くするわけですが、どの面も均等に削っていきます。
4面均等に削ったら、最後はサンドペーパーをかけて仕上げ、植物系の油を染み込ませた脱脂綿で削った部分を拭きます。
買ってそのまま使うと、ささくれが出やすくなる。 軽くするために削るときは、竹刀を組み、小刀でそれを防ぐために一枚一枚、剣先から二節目ぐら 二枚同時に刃を当てる。剣先から全体的に削るいまで角を取って丸くする
●ポイント
・買ったらささくれ防止とバランス調整を
・表面と合わせの部分は削らない

柄革で手元が変わる
付属品をつけていく際、一番気を使わなければならないのは柄革です。まずは長さ。遠間から打ち込むのが好きな人は柄が短く、近間が得意な人は柄が長い傾向があります。学生などはつばぜり合いが多いので、とにかく柄革の長い竹刀にしたり……。竹刀を見るとどんな剣道をするかわかります。
希望の長さに作ってもらうなら、「サンパチの柄革にしてください」と言うよりも、竹刀を持って構えて「この長さでお願いします」と言って、自分の手の間隔を伝えたほうが正確に伝わりますし、その方がお店の方も作りやすいと思います。同じ長さの柄革を使っても、入れる時点で1cm~2cmの差がでてしまうものですから。
厚さもいろいろです。柄革には、伸びる革、伸びない革、「吟革」のように薄い革、「床革」のように厚めの革などがあります。これで微妙な手元の太さやバランスを調整するといいでしょう。竹だけで握ったときに細めに感じていたら厚めの柄革を使ったり、柄の握りに極力近いほうがいいときは薄い柄革を選んだりしてみます。手元にもう少し重心を持ってきたい場合は厚めの柄革を使うなど、さまざまな方法があります。自分の納得いく組み合わせを見つけてください。
●ポイント
・柄革の長さは構えた手元で決める
・柄の太さは柄革で調整

持っておきたいお手入れグッズ
職人と素人さんの違いは道具にも表われていますが、自宅で手入れするのには、サンドペーパーと小刀があれば充分でしょう。カンナがなくても小刀一本で軽くすることはできますし、このふたつでたいがいのことは可能です。

家に帰ってからの保管法は?
通気と虫には注意して、冷暗所のような極端に温度が上がらない、常温の場所に置くのがベストです。付属品は劣化しますし、はずしたほうがよいでしょう。とくに今の革はなめすのにホルマリンなど化学薬品を使っていますので、つけっぱなしにしておくのはあまり良い状態とはいえません。
脱脂綿に油をしみこませ、節の部分ごとに内側に詰める。これでも全体に油は回る。組み直して糸で閉じて保管する。
ある高段者は、これと決めた竹刀は使い終わるとその場ですぐ付属品を外すよう習慣づけているそうです。大事な竹刀はそのくらい気をつかえば長持ちするでしょう。
新しく買ったら油を染みこませて何日か置いておくのも、
竹刀にとっていいことです。その方法は、脱脂綿やティッシュにしっかりと油を染み込ませて、竹を一枚外し、そして節のところに噛ませるのです。よく、「どぶづけ」といって、竹刀を油の中に全部浸ける人がいますが、これでは、後で竹刀から油が染みてきてしまいますので避けたほうが良いでしょう。竹は節のところからしか油を吸いませんし、脱脂綿を入れたら組み直して糸で止め、保存しておくようにします。置いておく期間は長くても大丈夫です。温度によりますが、竹刀全体に油が回るのには、1~2カ月かかります。
油の代わりにロウを使うことは避けたほうがいいでしょう。相手の胴や面に付いてしまいますし、寒いときは剥がれて床を汚してしまいます。油は椿油が一番ですが、その分高価です。市販の竹刀油で充分用は足りるでしょう。本当にいい竹を可愛がって取っておきたい時だけは、椿油が良いかもしれません。
また、色を良くしたいのであれば胡桃を使うと効果的です。胡桃を布に包んで潰したもので側面をすっと拭くと、渋で柿色になってくるのです。
新しく買った竹は、手入れさえよければ、かなりの間置くことができます。油を染み込ませた脱脂綿も、年に1度くらい取り替えれば済むでしょう。ですから、気に入った竹刀があったら、まとめて買っておいて大丈夫です。
昔の剣道家は竹をすだれのようしてひもでつるしていたそうです。それで、新しく買ってきたものは下につるしていって上から順々に抜いて使っていく。一番通気できる方法です。

竹刀を長持ちさせたい
竹刀を長持ちさせたいために、竹刀の竹を弦のある方の一枚と、いつも打っていて壊れやすくなってしまった部分の一枚とを組み替えたりする人がいるかもしれませんが、それは、逆に竹刀の寿命を縮めてしまいますのでやめたほうがいいでしょう。
使っていくと一定の方向で力が加わりますから、それが竹のクセになっています。これをひっくり返して使うと、下から上になった竹が割れることがよくあるのです。それは逆の力がかかってしまい壊れやすくなるからです。二本用意しておいて、使えなくなった部分を替えていくほうが長持ちします。最後のほうになって三枚になってしまっても、それは捨てないこと。次に竹刀を買うときに持って行けば、また同じ節どりの竹刀を買うことができて……というように、差し替えがいくらでもできます。

《剣道術理へ戻る》

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional