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*竹刀について

竹刀について


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〈竹刀について〉     ※一寸約三センチ
 本来竹刀の定寸は三尺八寸です。その理由は竹刀で練習するには、小手を用いるので、その小手の握り幅は約四寸五分として、これを握り合わせれば、約八寸五分ないし九寸となります。
 刀の柄は、八寸とすれば、左右の小手の間に、間隔の余裕がなく、また縁の寸を余すこともできないから、手の自由が利かなくなります。そこで、柄の長さを一尺一寸として、三寸だけ刀の柄より長くしたわけです。しかしその全体の調和を計るため、切先へ三寸伸ばしたのであって都合刀より全長六寸伸ばした三尺八寸が、すなわち竹刀の定寸となったのです。かつて幕府講武所にて竹刀制定のとき、小手幅四寸五分と、この寸尺ができたのです。
 形稽古の際は、三尺二寸をもって練習するものとしました。しかし、人には大小があるから、一律に柄の長さを定めるわけにはいかない、各人の体に合致するように、仕立てなければいけないのです。いかにして寸法をとるかというと、柄の長さは鍔より柄頭まで、四握りあればよいのです。この四握りにするとは、身長の大小に順応するためです。また一つの方法としては、右手にて鍔元五分を離して、(縁の寸法だけ避けて)握り、上方へ右前腕を屈曲し、その柄頭が、右前腕内に入るだけの程度にすればよいのです。なお、竹刀の全長を、適度な寸法にするには、弓を引くときのように右手を曲げ、左手を左横に伸ばし、右手にて竹刀の鍔元五分を残して握り、竹刀の剣尖を、左横一文字に伸ばし左手に密着して、その剣尖が左手中指の第三関節に達するをもって適度とするのです。

竹刀の握り方および運動法 ※丹田 下腹
一.力の入れ方。
 あまりに力を入れて打てば、打ち損じたとき再生の力を失い死太刀になります。また力のかぎり打ち込めば体勢に故障も生じ隙を表します。
 打つ手にのみ心を用いれば相手に見抜かれ体の守りを失います。丹田に力を入れ、心を全身に満たして、この原理を利用し、隙を認めて体より打ち込んでいくとよいのです。
 この道の心得のないものは、ただ打てばよいと思い力のかぎり打ちます。このような打ち方をすれば、再生の活力を失い、たまたま当たっても有効打突とはならないのです。これらを薪割り剣術、麦打ち剣術などといいます。

二.握り方正法
 両手の握り方は手の内といい、この握り方はいかに全体を安全にさせ、あるいは業を正確に施すか否かという重大な問題であり、従って密接な関係を持つものです。もし握り方が悪ければ全体の正確差を乱し、太刀筋を悪くして業は伸びずに、不確実な打突となるのです。
 手の握り方には強く握る時、あるいは弛めて握るなど絶えず自由に臨機応変して正確な業を施すよう心掛けなければならないのです。
 握り方の要領は、まず左手は、竹刀の柄頭の部分を握る、親指と人差し指との真ん中を、柄の背に当てて、五指は平等の力を用い、その親指第一関節は自分の臍の真ん中に位置させます。しかし胴と拳の間隔は、約一握りぐらいの間隔が適度です。次に右手は、鍔元より約五分(約一、五センチ)の距離に置き柔らかく握る。どうして鍔元より五分透かしか、鍔を打たれたとき、間隔がなければ、手に響きを受け、真剣ならば、鍔を切り割られることがあり、居合のとき、抜刀するときに手の自由を失うことがあるので、普段の練習のときに、その習慣を見に付けることが大切です。このときにおいてやはり左手のように、五本の指が平等に握らなければならないのです。しかし、その握り方は、左手とやや異なるのです。
 すなわち小指の第一関節および第二関節の内面を竹刀に密着させて握り、親指と人指し指との真ん中が少し透く気分に握るので、この点が左手に異なる点なのです。たとえば五本の指にしても、そのうち一本や二本の指のみたよることは、手に無理が生じ、従って完全な動きができなくなるのです。すなわち五本の指が揃って、手中に無理がないときは、剣道練習において、手に豆ができ、あるいは負傷するようなことはないのです。このように竹刀を持ち、腕も伸びすぎず、また引きすぎないようにするのです。
 時折肘が、非常に外側に張る人が見られます。あるいは前腕が直線に伸びる人が見られますが、これはいずれも自然の姿勢ではないのです。あるいはまた肘も腕も自分の身体に引き付けている人がいますが、このようにすると、手が休みたがるもので、心のままに動けなくなります。そこで、適度な握り方としては竹刀を、握ったままで肘も腕も、体に密着する程にすればよいのです。もし、この度合いを失ったとき、その構えには必ず隙が生れるか、あるいはその構えの範囲が狭くなり自分の構えの中にあるべき場所を、相手に攻められることになります。
 腕を伸ばしすぎの人は、各所に隙を生じ、竹刀の手元に引きすぎる人は、自分のふところを狭くし、相手の圧迫を受けることが多いのです。しかし自分のふところを直立したまま、竹刀の剣尖にて自分の周囲に円形を画く、その円形内が、自分のふところであって、すなわち自分を守る砦なのです。この点を、終始忘れないように心掛けが大切です。
 小指、薬指を主として絞め、その他は自然に添えて力を一つにするようにならないように緩めて握る。これと反対に同時に両手に力を平均に入れて握るとよいのです。この二つの握りを自由にすることを握力の強弱自由といいます。この自由によって微妙な竹刀の捌きとなり、正しく業を施すことができ、構えた時は肩を落として、手先を絞めて手拭いを絞める時のようにしますまた、手のひらに斜めに柄を当て、両指に力を入れて握った親指と人指との股に「ツル]の直線のところを当て小指より絞めるのです。この絞め方を自然のゆるみにして充分な手の内というのです。
 初心者の握り方はおおむね俗にいう糞握りとなっていたずらに固く握り、弛みがなくそのため両腕のみに力が入り自由を失い、早く疲労し、従って太刀捌きが自由にできなくなるのであるうえに強弱緩急の練習をすることが大切です。

※全体的に強く握ると 肩に力が入ってうま く打てないので、「良く右手は軽くそえて」 といわれる。しかし実 戦では右手のにぎりも適度に強くしない と打ちが強くなりま せん。また、反応が遅 くなります。軽くそえ るのは人さし指と親指だけです。

三.指の矯正
 構えの手を伸ばす時は力が弱くなり、右手を屈折する時は、両腕は固くなり竹刀の自由を失のであるまた、左手を平らにする時は逆手となって全力を不正確とするのです。
 竹刀は全指の絞め方を完全にしなければ正確とならないもので業を崩すことになるものです。この不正確を欠けば太刀は外に流れて自然打突を誤るという事になるので、全指の絞め方は極めて細心の注意を払い練習を積んで、これを確実にしなければなりません。
 左手は体前臍下よりやや離して定め屈曲の状態になります。その拳すなわち握りは臍下の所に定め、手首を内に入れ指を絞めるのです(臍下から離れる事およそ三四寸余り)。
 右手は胸部に伸ばし保持した刀先を敵の胃尾に着け、柄を軽く握るのです。
 柄を握った右手は自然に伸ばし、弓張りの形状とするのです。この両手の握り絞めにより両手の力の平均はとれ、屈折は自然自由となるのです。従って両手は正しく活動する事ができ、竹刀は正確になるのです。説明(小指より薬指と順に力を加え、手首をやや内に入れて絞め、左手の握りは臍部の位置に四・五寸離して定め右手を腹部に定め手首を内に入れ、左指と同じように絞めて握るのです。この時は伸ばさず自然の弛みをとるのです。あるいは、半円に動かす時、手の方向の一致と握りが平均にならなければいけません。特に注意することは、この握り方で真直にして左右斜めにならない事である最初は右に力を入れ、左に力なく平均力を失うのです。また竹刀を動かす時は正確を失い、突撃の際の業を不確実とするのです。
 正確となるように両手を正しくすることに努めなければなりません。)

四.両手運動の順序
 両手運動は突撃する準備運動にして、手の内すなわち握り方および肘肩などを正確にし、かつ運動を速やかに刃筋を正しくするのです。運動の順序を次のようにして握り手を自由に柔らかくするのです。
一、真直ぐ運動
  頭上より前方に真直ぐ上面を打つ運動。
二、左右斜面運動
  頭上より左右斜面を打つ運動。
三、左右回転運動
  頭上より両手の手首、肘を左右の斜めに返し、腹部のところに竹刀を水平とし胴を打つ運動。
四、前身運動
 正眼より体の倒れるまで両手を伸張して突きの運動。以上の運動は竹刀を振り構えより両手の運動のみとで行います。

※竹刀の持ち方
 右手は添えて、ごく軽く、柔らかく持ちます。
 左手は拳を臍の前、一握りか、一握り半ぐらいのところに置き、しっかり持つようにしなければなりません。これと反対に、右手を強く握り、腕を突っ張って固く持ち、左手は浮かすように腕前の位置でフラフラと動いている人がいますが、このような持ち方そのものが正しくありません。
 指の使い方は、親指と人差し指をやや浮かすような心持ちとし、中指は締めず、緩めず、薬指と小指を締めるようして持ち、手の内にゆるみがあるのはよくない」といわれます。
全部の指で強く握るというような持ち方をすると、右手などの場合は、腕に力が入り過ぎて、突っ張ったようになって、竹刀の振り方が滑らかにいかず、良い打ち方ができません。
 腕の突っ張りや、力の入れ過ぎは指の握り方に大いに関係があります。
 全部の指で握りすぎると、腕全体に力が入り固くなります。
 親指、人差し指を強く握ると、腕の上側の筋が固くなります。
 薬指、小指のみを締めて持つと、腕の下側が固くなります。
 腕に力が入り過ぎ、突っ張りのある人は、親指、人差し指を緩めて持つようにするとよいのです。また、拳と竹刀の柄との間に隙間のないように持つことも大切です。
 右手は軽く、柔らかく持つといいますが、どのくらいがよいのか。たとえば、雨傘をさしたときの持ちかげん。
 傘なら風の強さに応じて、対応できる程度に、強すぎず、緩めすぎずに持つことです。竹刀の持ち方も、これと同じだということです。
※竹刀の振り方のポイントとして
手首を固定して、肩から竹刀の先をできるだけ離そう。
・肩を軸にしたほうが軸と物打ち点との距離が長い。
・使う力は、肩が軸だと腹筋や背筋をつかう。
(腕より背筋腹筋のほうが数倍強い)

※良い点
一.肩を軸に振ると練習次第で、実際面を打つとき振り上げる距離を短くすることができます。
二.短くできる分、早く面を打つことができます。
三.腹筋と背筋を使うので、姿勢が安定して腰の入った打ちができます。ただし、素振りした時、体の中心 線がぶれないように振ることです。(めちゃくちゃしんどい=腰の入った素振りになります)
 普段から左手首を固定していると肩を使った大きな素振りができるので、体に大きい素振りを叩き込もうすると、意識しなくても、腰の入った打ちができます。

※竹刀の使い方(二)
 竹刀をとるときには、いつも相手を打ちきることを心におかなければなりません。また、相手を打つときにも、手の具合を変えることなく、手がすくむことのないように持つ。もし、相手の竹刀を打ったり、受けたり、押さえたりすることがあっても、親指と人差し指をすこしかえるぐらいで、竹刀をとるようにしなければなりません。すべて、竹刀でも、手でも居付いてはいけません。
 居つくことは相手に打たれることであり、居付かないことが勝ちを生むのです。このことをよく心得ておかなければなりません。
 手の内を変えないように、居付くことなく、相手を打ちきるのだという気持ちで竹刀をとらなければならないということは、日ごろの稽古のうちに活かさなければならないのです。

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