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*引き技

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◎引き技
 自分のほうからしかけて打っていったときに、相手に防がれて技が決まらなかったり、打つことは打っても、打つ力が弱かったり、気力がたりなかったりで有効にならないことがあります。このようなときは、だいたい相手と体が完全に接近しています。
 両者の体が接近しすぎてしまった状態を「鍔ぜり合い」といいます。
 鍔ぜり合いから後ろにさがりながら打つ技を引き技といいます。
 鍔ぜり合いからの技は、たださがって打つだけではきまりにくいので、次のような方法で打ちます。

※相手の力を利用して打つ
(1)両者とも直線的な力で対している場合は、相手が押してきたら、さからわずに相手の力に押されてさがりながら打ちます。
相手が押してこないなら、自分のほうからまず押してみます。相手が抵抗しておし返してくる力を利用してすかさずさがりながら打ちます。以上の方法は、面を打つのに役立ちます。
(2)相手が右横に押さえてきたら、竹刀を返して引きながら打ちます。

※鍔ぜり合いになった瞬間がチャンス!
 打ち込んだ技が決まらなかったりすると、体が相手と接近してしまい、鍔ぜり合いの状態になることがあります。引き技とは、こうなった時に引きながら出す技です。あせって打ち急ぐ傾向がありますが、基本通り振りかぶってしっかり打たなければなりません。まず、鍔ぜり合いになった瞬間をねらってしかけていきます。

※相手の体をくずして打つ
(1)鍔ぜり合いから、自分の左こぶしで相手の左こぶしを上に押し上げるようにして、引きながら打ちます。この方法は引き胴を打つのに役立ちます。
(2)自分の体を左側にもっていきながら、左こぶしで相手の右ひじを右側に押し、同時に竹刀を裏(自分の左側)にもっていき、さがって打ちます。この方法は面または小手を打つのに役立ちます。

※鍔ぜり合いにも礼儀がある。
 ただ力比べをして、向かい合えばよいのではありません。まず下腹部に力を入れ、右拳をぶつけ合いながら、鍔と鍔でせり合うようにします。この時、竹刀は右ななめ上に向けること。相手との距離は、近くによりすぎてもいけないし、離れすぎてもいけません。

※引き面
(1)相手が押してきたとき相手がおすと同時に左足を大きく後ろに引き、右足を寄せながら面を打ちます。
(2)相手が竹刀を右側におさえてきたとき相手が自分の竹刀を右側に押さえつけてきたときは、押さえをはずして竹刀を左(裏)に返し、ななめ後ろにさがりながら面を打ちます。
(3)自分から押すとき相手がそれにて抵抗して強く押し返してきたらすかさず左足を大きくさげます。相手は押す力をはずされて体が前にのめりますから、寄せながら面を打ちます。

※相手の力をはずす
 鍔ぜり合いで、互い押し合いになる場合があります。互いに、スキを見つけようとしているからです。そんな時、こちらから手元を強く押してみると、相手はその分押し返してきます。その力をはずして面を打つのです。
※引いて打つ時の間合を、適度にうまくとること。

※引き小手
 左足をななめ後ろにさげながら、左こぶしで相手の右ひじを右におして、相手の体をくずし、右足を寄せながら右小手を打ちます。
 相手が右におさえてきた場合は、竹刀を返して打ちます。

※右手に力を入れすぎない!
 引き面の要領で、相手が押し返してくるタイミングをはずせば、小手はがら空きになり、体勢もくずれます。その時、小手を打つのですが、右手に力が入りやすいので、そうならないように、十分振りかぶって打つとよい。

※引き胴
 相手の左こぶしを自分の左こぶしでおし上げながら、左足を引き、相手の胴があいたところを右足を寄せながらさらにさがって、胴を打ちます。
①左こぶしで相手の左こぶしをおし上げながら左足を引きます。
②相手の胴があいたところを、右足を寄せながら打ちます。
相手の脇を甘くさせて胴を打つこれも押し合いの中で出す技です。
 相手の押し返してくる力をはずすと、脇が甘くなって胴が空くので、そこをすかさず打ちます。ほかに、左拳で相手の左拳を上げて、空いた胴を打つ方法もありますが、実戦では難しい。

※引き技を使うときの注意
(1)大きく左足を引いて、間合をはなすようにします。
(2)打った後でさがるときに、相手に背中を見せたり、横向きになったりしないように気をつけます。さがるときに自分の竹刀を相手に向けていることが大切です。
(3)体をななめ後ろにさばきながら打つため、刃筋がくるって竹刀の横の部分で打ちがちです。これを平打ちといいます。
どのような場合も手首を使って、刃筋を立てて打つことがたいへん大切です。
※引き技で下がる時でも、相手から剣先をはずさない。残心も忘れずに。

◎引き技について
※引き技は、逆に一足一刀の間より開くと一本になるのです。
 相手がくっついてきたとしても、さらにスピードアップして間を開くように引けばいいのです。
 相手が下がろうとしたところを引きながら技を出せば距離の開きは倍加されるのです。
 試合規定では「有効打突は充実した規制、適法な姿勢をもって、竹刀のものうちで正確に打突したものとします。ただし、片手の打突、追い込まれる打突は特に確実な打突できなければならない」となっています。
 掛け声もしっかりしている状態で崩れた状態でなく、打突部で確実に打突されたものをいう、気・剣・体の一致した打突です。
 確実な打突そのものが相手によって価値が違うところから、段階によって自分の1本を相手が認めないこともあります。
 認められない場合は、相手の納得する打ちを出せるよう努力する態度が大切です。そうして自分の打突が誰からも納得される価値の高い技に成長していくのです。
 有効打突の感覚を早くつかむには、稽古で互いに有効と思えば、素直に「参った」と一礼し確認し合うのがよく、また、稽古が終わって、稽古をお願いした人から話を聞いたり、話し合ったりすることや、先生方や上達した人の試合や稽古を見て研究することや、有効打突を早く理解することが剣道の技術向上につながるのです。

※引き技
 互いに打ち込んだり打ち込まれた場合打突が不成功のまま相手に接近したとき、鍔競り合いという状態になります。この状態では、その後の勝負を有利に展開できるかどうか、きわめて大切な瞬間です。このときに引きながら出す技です。引き技は間合いを一足一刀まで開くことが大事になります。相手と体が当たる力を利用して行います。
どんな状態のとき打突するか、打つチャンスは鍔ぜり合いになった瞬間に。
 前の出た技からその勢いをつなげて体当たりして、裏を攻めて表で打つ、上を攻めて下を打つ、下を攻めて上を打つ。
 相手の体重が後ろのかかったときや息を吸い込んだときなどに打つ。
相手の竹刀が左右に開いた瞬間も同様の機会です。

※引き胴
 鍔ぜり合いから引き胴を打つには、相手の手元が上がっていなければなりません。相手が手押しで下から上へ力を入れようとするときなど効果があるのです。つまり相手の手元を左斜め下に十分押し下げて、相手が手元を押し上げてくる力を利用するのが実践的でよい方法です。この場合、押し下げた後、力を急に抜き大きく振りかぶれば面の防御に心がとらわれ手元が上がり、胴に隙ができるのです。その瞬間をとらえれば最も効果的です。(特に引き胴の打突後は中間間合いになりやすいので、相手の反撃には最適な距離になりやすいので、素早く間合いをきることが重要です。反撃の追い込みをしにくくするため、右斜め後ろに引けるように相手を左向きに振るような体さばきをしてからの引き胴が効果的です。)

※引き小手
 引き小手は、引き胴と同様に相手が押し返した力を利用して左足を斜め後ろに引きながら、竹刀を相手の右小手側に返して打ちます。
その場合、鍔ぜり合いの剣先の位置から相手の右小手に最短の直線で 剣先を移動するつもりで体のひき沈みで小手に合わせるのです。
 連続技二・三段の技および連続技は攻撃技の代表的なものです。
 最初の打突を相手に防がれたとき、相手の気持ちはそこに片寄ってほかに隙ができています。そこをすかさず打ち込むのが連続技の原則です。
 試合では、最初の打突を目的とせずに一拍子で小手面と打ち込むのはあくまで応用であり、初太刀で決めるつもりで打ち込む勇気・気位が大切です。

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