*剣道十訓
*剣道十訓
剣 道 十 訓
一.身体を健全にせよ。
身体各部分が完備して活気満ちあふれていなければならない。
二.精神を錬磨せよ。
剣道は精神と技術と微妙な関連を持っているから、千変万化の
変に応じて、怠らない精神を錬磨しなければならない。
三.基本を正確にせよ。
姿勢、構え、竹刀の持ち方、目付、足の踏み方、打ち込みなど
基本動作が正確でなければならない。
四.ひたすらせん専念稽古に励め。
心と手足となって動くには、何よりも実際の稽古を積むのが
大事である。
五.研究工夫せよ。
ちょっとした頭の働きで豁然として悟る所あり、とみに技術の
進歩することあり。
六.いつも真剣の気合をもて。
身体は精神に引き回される。稽古にも、試合にも、何時も
真剣の気合で全力を尽くせ。
七.終始熱心であれ。
剣道の修行には苦痛も多い、かつ、一生の修行である。
心をゆるめると稽古を怠り、ものにならないようになる。
八.慢心を起こすな。
学問も技術も商売も慢心が堕落退歩の元になる。
剣道では慢心は恐るべき敵である。
九.公明なる精神をもて。
不正ごまかし、我利我欲は、稽古、試合とも大禁物である。
まじめな剣道修行は精神修養、人格修養の道である。
十.剣道と生活とを合致せしめよ。
せっかく学んだ剣道が日常の生活と離れ離れではならぬ。
剣道と生活とが渾然合致するならば、剣道の進歩の上にも日常の
生活上にも、得るとところ大なるものがあろうと信じる。
剣道を学ばんとする者は少なくともこの十訓を日夜実践し、反省
し、それを確かに進め得るようにしなければらない。
その者こそ.上達への段階をより高め得ることになるだろう。