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*昇段審査の心得

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※昇段審査の心得
相手に「打たれない」剣道と「打たせない」剣道
この二つの言葉はどちらも似た意味になりますが、よく考えてみると違います。
「打たれない」・・・受動的
他から動作・作用を及ぼされるさま。自分の意志からでなく、他に動かされてするさま。
「打たせない」・・・能動的
自分から他へはたらきかけるさま。
になります。
相手を動かして、その動きを捉えて打突する剣道においては、能動的な「打たせない」剣道が理想といえます。
構えについて 
俺の構えを見ろ。俺の声を聞け。常に意識していなければなりません。
常日頃から立会いは礼から始まっています。
そこでまずは、礼から蹲踞、構えと進みますが、構えた時に「俺の構えを見ろ。」という気持ちで構えること。
そして、次に「俺の声を聞け。」という気持ちで気合を掛ける。
そこまでの2点を意識し、立会いに臨むようにします。
審査に挑む際に、「我、上位也」と意識して構えて、気合いを発するようにします。

我慢
『我慢』について。
立会いにおいて、我慢が大切です。
我慢することで、
相手が打とうとする
相手が動こうとする
相手が受けようとする
三つ「う」
この瞬間をとらえ、打突することが、昇段審査での評価に繋がるのです。
相手と対峙し、触刃の間から交刃の間、そして打ち間、この間にいかにして相手を引き出して、この三つの「う」を捉えることが大切なのです。
これらは簡単にできるものではありません。剣道が難しくて、そして魅力的なのです。

・内容のある稽古
高段を目指して稽古している人は、数多く稽古を積めばいいものではありません。
一回、一回が内容のある稽古に励んでいかなければなりません。
限られた時間の中で稽古をするには、内容のある稽古を積んでいくしかありません。
そのためにも毎回毎回、気を抜かず、一太刀を無駄にしないよう心がけなければならないということです。

・勢いについて
まず、面には面がねがついています。
これは面のサイズによって数が変わってきますが、よく見ると一か所だけ間隔が広い部分があります。
ここを『物見』といいます。
まずは構えた時にここから相手を見なくてはなりません。
物見から相手を見据えることで顎が上がるのを防ぐことにつながります。
そして、ひかがみ(ひざの裏部分)をしっかり張ることで、腰が入った構えになります。
さらに構えた時に相手を見下ろす様な気持ちで大きく構える(遠山を目付)ことで「勢い」が生まれます。
普段から「勢い」を意識した稽古をしなければなりません。

打たれて反省
打たれた所を「何故、打たれたのか」「何故、打てなかったのか」など、その場面ごと反省し、次回に活かすことです。
剣の道は、常に反省し、検討、さらに相手を敬う心と感謝する心が、上達する上で必要なのです。

速く打突するためには
「速く打突する」こと
竹刀を小さく素早く動かして打突すればいいと思うでしょうが、それだけではいけません。
竹刀だけ速く打突していても体がついてこなければ、「気・剣・体の一致」した打突は出来ません。
そのためには足が重要となってきます。
よく「速く走るためには腕を早く振れ」と言われます。
剣道はその逆で「速く打つためには、足の踏み込みを速くする」ことが必要です。
さらにそのためには、足さばきが重要になってきます。
足を踏み出すためには、左足が準備できていなければ、足を踏み出せません。
いつでも踏み出せる左足を準備することが求められます。
左足が動いている間には右足は踏み出せません。
したがって、素早い足さばきにより、常に打てるように左足を準備しなくてはなりません。
相手が左に移動する動きが大きかった(左足を大きく開いた)ので、そこの瞬間をとらえて打突してみると、相手が居ついた状態で打突することができるのです。
足さばきが緩慢な人はそこが隙になるのです。

攻防とは
「気合の攻防」・「間合いの攻防」・「剣先の攻防」をしなければなりません。
触刃の間合いに入ったら、相手と気合を掛け合い攻防し、それぞれの間合いを探り合うことで攻防し、剣先で中心を取り合う攻防をすることで打突の機会を作り、打突することが大切なのです。 

目的をもって稽古する
「毎回、毎回、目的をもって、稽古をしなければなりません!!」
「相手に伝わる攻め」「流れる足さばき」などなどです。

・締めの一太刀
立ち合い締めの一太刀です。
大切にしてほしいのが、締めの一太刀だそうです。
審査において、審査員は受審者に自分を置き換え、審査に臨むそうです。
四段・五段・六段なら1分。七段なら1分30秒。
と時間が決まっている中で審査員の心を打つような立会いにするには、やはり初太刀の一本と最後の一太刀の一本が有効打突になるような立会いが出来れば合格に近づけるのです。

・「大強速軽」について
剣道の錬度は
「大」→「強」→「速」→「軽」の順で習得していきます。
「大」とは大きく振りかぶって
「強」とは強く正しく打つ
「速」とは技も速くなり
「軽」とは軽くなるのではなく、軽妙になり冴えのある剣道になることを意味するそうです。
ここで軽妙な打突を。技などが、軽快でうまみがあること。だそうです。
「機会」、「間合い」、「技」などによってこの「大強速軽」を使い分けなければなりません。
そこを意識しながら稽古をしなければなりません。
全ての技が「大」や「速」だけではダメなのです。
その場面、場面で使い分けができる力を日々の稽古を通じて習得していかなければなりません。
「審査員の心を打つ剣道」です。

・三殺法
三殺法とは剣を殺し、技を殺し、気を殺すということです。
相手に対峙したら、相手の剣(竹刀)を押さえたり、払ったりするなど相手の剣を中心から外し、打突の機会を崩す。
常に相手の先を取り、相手の技を出すタイミング、余裕を与えない。
そして、気持ちで相手を圧倒し、相手の攻撃しようとする機先を制する。
ことを念頭に稽古をすることが大切なのです。
日々の稽古で何気なくやってきたことが、この三殺法に通じているのでしょうか?
三殺法を意識し、稽古に励み、また一つ上を目指さなければなりません。

・素振りは準備運動ではない。
「素振りは準備運動ではない」
素振りは、目の前に必ず相手がいると思い、一本、一本、真剣に打つ事を心がけておこなわなければなりません。
「剣道はABCである。」
A:当たり前のことを
B:馬鹿にしないで
C:ちゃんとやる
ということです。
それは素振りにも当てはまることです。
素振りでも「当たり前のことを、馬鹿にしないで、ちゃんとやる。」ことがとても大切なのです。

日計足らずとも歳計余り有り
「日計足らずとも歳計余り有り」について。
一年間を通して稽古を積んでいけば、必ず、成長しているはずです。
流した汗と涙は決して裏切ることはありません。
「流汗悟道」

初段、初段の積み重ね
審査の着眼点は
1 五段以下の実技審査
(1)初段ないし三段
・正しい着装と礼法
・適正な姿勢
・基本に則した打突
・充実した気勢
(2) 四段および五段
 初段ないし三段の着眼点に下記の項目を加えたもの
・応用技の錬熟度
・鍛錬度
・勝負の歩合
2 六段ないし八段の実技審査は、初段ないし五段の着眼点に加え、下記の項目について、更に高度な技倆を総合的に判断し、当該段位相当の実力があるか否かを審査する。
(1)理合
(2)風格・品位とあります。
各段に昇段するためには、各段の着眼点をしっかり、審査会で発揮できないと合格はできません。そして各段の積み重ねが、昇段につながるのです。
そのためにも普段の稽古から、目指す昇段審査を意識した稽古に励んでいかなければなりません。
構えてから触刃の間合いまで詰め、相手を攻め、或は引き出して打突する。
これを終わりの礼まで気を抜かない稽古は、1本でも息が上がってしまうほどです。

三つの『う』
それは、3つの『う』です。
出鼻は相手のまさに出鼻を捉える技なので、ここを抑えられれば、相手はなかなか対処が出来ない有効な技ですが、とても難しい技です。
というのも
・相手が打ってきてから打つ
・相手が動いてから打つ
・相手が受けてから打つ
のでは既に遅いのです。
そのポイントとしては、
第一
相手が打とうとする時の『う』
第二
相手が動こうとする時の『う』
第三
相手が受けようとする時の『う』
この3つの『う』の時を捉えることが出来れば、出鼻をおさえることが出来るのです。
沢山、稽古を積んで、3つの『う』を捉えられるようになりましょう!!

攻めて、打つ
剣道では重要な『攻めて、打つ』ということです。
 その時の助言が、『攻め、打つ』ではなく『攻め・て・打つ』方がいいとのコトです。
 『て』という言葉を入れるだけで、攻めが効いています。
 その『て』がない『攻め』は相手の心、構え、動きなど隙関係なく、ただ打っています。
 そこで『て』が入るだけで、その間に相手の隙を読み、打つことが出来るとのことです。

審査員の心を打つ
『審査員の心を打つ剣道』
審査においては、審査員の先生方も受審者の立場になりきり、審査を行なっているそうです。
審査中は、打突の機会に相手を引出し、打ち切る。
そういった剣道を審査委員の先生方も受審者になりきって立ち会っているので、受審者も立会いの中で先生方の心を打てるような剣道をすることが大切だそうです。
審査員の先生方が立会い中に「この機会をとらえて打て」とか「まだまだ我慢」など感じている時にその様な剣道が出来れば先生方の心が打てるのではないかと思います。

稽古は試合の如く、試合は稽古の如く
心構えの中で、「稽古は試合の如く、試合は稽古の如く」という教えがあります。
平素の稽古では試合の様な気持ちで真剣に臨み、試合では稽古の時の様な気持ちで臨めば力が抜けて挑めるのです。
日ごろの稽古から試合や審査を意識することが自身につながり、その結果、試合や審査で余計な力が抜け、いい方向へ導けることだと思います。

反省と工夫と努力
試合は勝つ時もあれば、負ける時もあります。
ただ、勝った時も負けた時もそこで終わっていたら成長はしません。
「なぜ勝ったのか?なぜ負けたのか?」
「気持ちはどうだったのか?姿勢は?足さばきは?気合は?間合いはどうだったのか?技はどうだったのか?」
人の試合を見ていても学べることは沢山あります。
そこで自分の試合を振り返り、反省し、工夫し、そして努力することが大切なのです。
一回戦で負けた人は二回戦。二回戦で負けた人は三回戦。と一つでも上を目指し、
反省と工夫と努力を怠らず、稽古を続けるのです。!

悪いところを披露する場
「悪いところを披露する場」でもあります。
昇段審査で自分の悪いところが出てしまえば当然、合格することは困難です。
しかし、稽古を通して、その悪いところを減らしていけば、必然と昇段審査会でも悪いところは出てきません。
結果、合格への道へと繋がるのです。
一生懸命稽古を続けて、自分の悪いところを減らしていくことです。!!

勢い
「勢い」ということについて
剣道で「気・剣・体」という言葉がありますが、勢いについても同じことが言え、
気の勢い・剣の勢い・体の勢いをもっと意識して稽古に臨むことが大切なのです。
具体的には、相手と正対した時から前面に勢いを出さなくてはなりません。
相手と正対し、礼法をなおざりにすることなく、礼から勢いを出し、剣を抜き、構えた時点で、さらに剣か気が出るくらいに勢いを出すような気持ちで普段の稽古から意識していかなければなりません。

残心
 打突の後にも心を残しておく。
 心を残すことで相手の反撃に備えたり、次の技に繋げることが出来る。
 打突の際、心を残さず打ち切る。
 コップに水を一滴残すためには、コップを傾け、少しずつ水を捨てる方法では難しいですが、一気にコップの水を捨て去ることで一滴がコップに残る。
とあるそうです。 
二つの残心は相反する事であるようですが、この残心を意識して普段から稽古に励むことが大切なのです。

機を作る
「機」について
剣道で打突するためには「機」が重要なのです。
その「機」とは
1.機を知る。
2.機を見る。
3.機を打つ。
に分けられます。
1.機を知る。
  機とは呼んで字のごとく、「機会」の「機」になります。
  打突するには「機」を知り、理解しなければなりません。
2.機を見る。
  その「機」とは
(1)相手の出ばな
(2)相手の引きばな
(3)相手のいついたところ
(4)相手の技の尽きたところになります。
3.機を打つ。
  機を打つには相手の3つの隙を打たなければなりません。
  その隙とは
(1)相手の構えの隙
(2)相手の動作の隙
(3)相手の心の隙です。
そして、最後に2と3の間に
4.機を作る
ことが最も重要だそうです。
それを作り出すには攻めが必要で、
(1)気攻め
(2)剣攻め
(3)体攻め
により、その機を作らなければなりません。

間合いを盗む
  「足さばき」とは、相手を打突したり、かわしたりするための「足の運び方」で、体のさばきの基礎となるのが足さばきです。「一眼二足三胆四力」という教えがあり、剣道では足さばきが非常に重視されています。
 「足さばき」には「歩み足」、「送り足」、「開き足」、「継ぎ足」があります。
 「間合いを盗む」は継ぎ足にあたります。
 継ぎ足とは遠い間合いからの打突するときに用いるもので、相手との攻防の中で悟られないように左足を右足まで継ぎ、大きく踏み込んで打突するときに用いられる足運びです。
 通常の間合いなら届かない位置でも左足を相手に気づかれないように右足に引きつけたことにより、右足の位置は変わりませんが左足が前に出ていることから届く位置まで来ているということです。
 これを自然な動きの中で出すので非常に難しいですが身に付ければ、間合いの幅が広がるはずです。
1)歩み足
 前後に遠く速く移動する場合の足さばきで、最も遠い間合いから打突の技を出す時に用います。
2)送り足
 いろいろな方向に近く速く移動する場合や、打突の時の足さばき。
 一足一刀の間合いから打突の技を出す場合に用いられる一般的な足さばき。
3)開き足
 体を右、左にかわしながら相手を打突したり、防いだりする場合の足さばき。
 近い間合いからの打突をする場合に用いられることが多い。

5つの場所を真直ぐに向けること
構えたときの注意点として
「真直ぐに向ける場所を5つ」を意識する。
その5つは
1:足の親指
2:お臍(へそ)
3:顔
4:剣先
そして、一番重要なのが
5:自分の心
を真直ぐ前に向けること。
常にこの5点を意識して、剣道も心も真直ぐに育っていってほしいものです。

打つために受ける
相手の技を受けっぱなしにしない。
「受けたら打つ。」
「打つために受ける。」ようは相手の技を受け、擦り上げ打突する。
相手の技を受け、返して打突する。
打突の機会としては絶好の機会です。
はじめは誰も出来きません。
ただやろうとする動作をしなければ身につきません。
頭で分かってはいますが、体が反応しません。
反復練習して体で憶えるしかないのです。

無駄打ちをしない
「稽古をするにあたり、無駄打ちをしないように心掛けて稽古をすること。」
「不必要な技は出さないように」
「無駄な技をどんどん排除するように。」しなければなりません。

審査の心得
1 気迫
審査においては審査員の心を打つ気迫で立ち会うこと。
この立会いに全てをかけている気持ちの気迫で挑むくらいでないと審査員の心を引くことは出来ません。
2 我上位なり
 常に相手に稽古をつけているように、相手に打たれても打たせてやったくらいの堂々とした
 立会いをします。
 審査においては、相手を手のひらに乗せて転がしているくらいの気持ちでやる。
3 打ち切る
 中途半端な技は出さない。
 打ちを出すからにはその一撃に全てをかけて打ち切ること。一太刀、一太刀が初太刀という
気持ちで臨むこと。
4 イメージトレーニング
 これは我上位なりからつながると思いますが、常に立会いを行うことも大事とのことです。
5 有効打突
 審査である限り有効打突は必要です。
 ただし、全てが有効である必要はありません。立会いの中で1・2本で充分とのこと。
そして、5,6割の有効打でもしっかりアピールし一本にすること。
  
立会いは初太刀を
・ 立会いは初太刀を必ず取る気持ちで。
・ 初太刀を取るということは必ずしも仕掛け技のみではありません。
  (相手を出させた応じ技。相手を居つかせて出す技。相手を崩して打つ技。)など
・ そして、立ち会う時の全ての技を初太刀のつもりで掛かること。
  (一本目も初太刀、二、三本目も初太刀という気持ちで)
常に初太刀を取る気持ちを切らさないことは本当に難しい
その気持ち切らない稽古を心掛けて、頑張らなくてはなりません。

試合に負けるコトはいいコト
 『試合で負けるコトを覚えること。』
 「試合で負ける事で相手に打たれた所、自分の失敗した所を反省するいい機会になります。」
 「難しい事だと思いますが、自分でどのように攻めて、どの様に打突すればいいか考えて稽古に臨むようにすることです。」

昇段審査の心得
受審するにあたり、大前提として大切なのは「品位風格」です。
そして、品位風格を出すには当然、「礼法・所作事」がなってないと審査員も見てはくれません。
その中で意識することが、「先の気迫」です。
その気迫がなくしては審査員の心を引きつけられず、ただ見てもらうだけになってしまいます。
さらに「先の気迫」を持って、相手を攻め、「相手を居つかせ」「相手を引き出させ」「相手の体を崩す」ことにより、打突の機会を作り出すコトが大切なのです。
そして、打突するに当たっては中途半端な打突はせず、その一撃に賭け「捨て身」で打ち切る打突をしなくてはなりません。
審査を受けるに当たってはこのことを心に悔いの残らない立会いをしてきましょう!!

上虚下実
第一は、『上虚下実』 
剣道の構えとは、上半身は柔らかく(上虚)、下半身はドッシリ(下実)とした構えを心掛けること。
姿勢に芯が通ってないような感じに見受けられ、『上虚下虚』
上虚下実の剣道を取れるように、稽古しなければなりません。!!

剣道の攻め、、、
剣道で相手を打つには攻めるということが大前提です。
その攻めには
 「気で攻め」・「剣で攻め」・「体で攻める」
この三つの攻めから、3つの打つ機会を捉えて相手を攻めるコトが大切なのです。
ちなみにその打つ機会とは、
 「技の出頭」・「技の尽きたところ」・「居ついたところ」と言われています。
要は、打つ機会を得るには相手を攻めていなければ、そこを打てないことになります。
稽古の最中もそのことを意識しながら、一本一本に分析と反省をすることにより、剣道の上達につながるのです。


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